NPO 法人を立ち上げる手順|設立認証の流れ、必要な人数と書類、相談できる中間支援組織
設立の条件
NPO 法人(特定非営利活動法人)は、特定非営利活動促進法にもとづいて所轄庁(都道府県、または主たる事務所が指定都市にあればその市)の認証を受けて設立します。主な条件は次のとおりです。
- 社員(会員)が 10 人以上いること。社員は法人の意思決定に参加する人で、入会や退会に不当な条件を付けてはいけません
- 役員は理事 3 人以上、監事 1 人以上。役員のうち報酬を受ける人は 3 分の 1 以下
- 法律が定める 20 の活動分野のいずれかを主な目的にすること
- 宗教活動、政治活動、特定の候補者の支援を主な目的にしないこと
- 暴力団や、暴力団の統制下にある団体でないこと
「保健、医療又は福祉の増進」「子どもの健全育成」「まちづくり」など、どの分野を選ぶかは定款に書きます。複数を選べます。
設立までの流れ
- 設立の準備(1〜2 か月): 目的と事業を決め、社員と役員を集め、定款・設立趣旨書・事業計画書・活動予算書の案を作る。所轄庁の手引きと様式を使う
- 設立総会: 社員が集まり、定款と役員、事業計画・予算を決議する。議事録を作る
- 認証の申請: 所轄庁に申請書類を提出する。受理されると 2 週間、書類が縦覧(誰でも見られる状態)になる
- 認証の決定: 縦覧の終了後、所轄庁は 2 か月以内に認証か不認証を決める(申請から概ね 2 か月半)
- 設立の登記: 認証書を受け取ってから 2 週間以内に、主たる事務所の所在地の法務局で設立登記をする。登記した日が設立日
- 設立の届出: 登記後、所轄庁に登記事項証明書などを添えて設立の届出をする
認証・登記に手数料はかかりません。書類の作成を行政書士などに頼む場合は、その費用がかかります。
設立後に毎年やること
NPO 法人は、情報公開の義務があります。これを怠ると過料の対象になり、3 年間続けると認証の取り消しにつながります。
- 事業報告書・活動計算書・貸借対照表・財産目録・役員名簿・社員名簿を、事業年度の終了後 3 か月以内に所轄庁に提出する
- 役員の変更、定款の変更を所轄庁に届け出る(定款変更は内容によって認証が必要)
- 法務局で、資産の総額の変更登記(毎年)、役員の変更登記
- 法人住民税の均等割(収益事業がなくても自治体によってはかかる。減免の申請ができる自治体が多い)
- 収益事業を行う場合は法人税の申告
所轄庁に提出した書類は、内閣府の NPO 法人ポータルサイトや所轄庁の窓口で誰でも閲覧できます。FindNPO の団体ページから内閣府のポータルにたどれます。
中間支援組織・市民活動センターに相談する
設立と運営を一人で抱える必要はありません。「団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動」を分野に掲げる NPO 法人(中間支援組織)が全国に 2 万以上あり、自治体や社会福祉協議会が運営する市民活動センター・NPO サポートセンターもあります。相談できることは次のようなものです。
- 定款や設立書類の書き方、所轄庁とのやりとり
- 会計(NPO 法人会計基準)、税務、労務
- 助成金・補助金の情報と申請書の書き方
- ボランティアの募集、他団体とのつながり
- 会議室や印刷機などの設備の利用
FindNPO の「NPO を支える NPO」ガイドで、地域の中間支援組織を探せます。市民活動センターは自治体のサイトで「市民活動」「NPO 支援」と検索すると見つかります。
認定 NPO 法人を目指すなら、設立時から準備を
寄付を集めて活動する団体は、認定 NPO 法人の制度を視野に入れておくと後が楽です。認定の要件の 1 つ「パブリック・サポート・テスト」の絶対値基準は、3,000 円以上の寄付者が年平均 100 人以上です。設立当初から寄付者の名簿と領収書を整えておくと、申請のときに困りません。設立から 5 年以内なら、この基準を免除した特例認定(有効期間 3 年)を先に受ける道もあります。
設立を決める前に考えること
- 任意団体のままでよいか: 契約や助成金の受け皿として法人格が必要か。法人になると事務が増える
- 一般社団法人との比較: 早く作れて活動の制限がないのが一般社団法人。寄付を集めやすく、公開性で信頼を得やすいのが NPO 法人
- 事務を担う人がいるか: 毎年の報告書と登記を誰が担当するか。ここが決まらないと運営が止まる
FindNPO では、同じ地域で同じ分野の団体がどのくらいあるかを地域ページの「データで見る」で確かめられます。すでに似た活動をしている団体があれば、新しく立ち上げる前に、その団体と協力する道も検討してみてください。
相談先を探すときは、NPO 支援(中間支援)の団体を地域から探す からどうぞ。
よくある質問
NPO 法人の設立にお金はかかりますか。
認証と登記に手数料はかかりません(登録免許税も非課税)。定款や書類の作成を専門家に頼む場合は、その費用がかかります。
認証までどのくらいかかりますか。
申請書類の受理から縦覧(2 週間)を経て、所轄庁は 2 か月以内に認証か不認証を決めます。書類の準備を含めると、設立を決めてから登記まで 3〜5 か月が目安です。
一般社団法人のほうが早く作れると聞きました。
一般社団法人は登記だけで設立でき、数週間で済みます。活動分野の制限もありません。一方で NPO 法人は情報公開の義務があり、認定 NPO 法人の制度を使って寄付を集めやすい利点があります。活動の中身と資金の集め方で選びます。